伝えたい人にハッキリと伝える
ホームページを制作、運営する上で「どんな内容を掲載するか」、いわゆるコンテンツが重要なのは言うまでもないでしょう。
全く同じ内容でも伝え方ひとつで印象は変わります。
各ページやブログ記事などのタイトルやキャッチコピーを決める際に文字通り「キーワード」となる言葉を選ぶわけですが、往々にしてSEO対策が先行しがちです。
特にSEO対策関連の会社から営業がくると「御社のホームページにはキーワードが足りません」といった指摘をしてくる場合もあるでしょう。
確かにSEO対策は重要ですが、あくまでも本当に伝えたいのはサイトへの訪問者である「人」です。
SEO対策はGoogleなどの検索エンジン対策、つまり機械への対策であり、まず第一に伝えたい人にハッキリ物事を伝えることが重要。結果として、それがSEO対策にもつながります。
フワッとしたキャッチコピーが通じるのは大企業だけ
あなたは以下のようなキャッチコピー(フレーズ)を見たり聞いたりしたことはありますか?
- i’m lovin’ it
- Leading Innovation
- お口の恋人
- The Power of Dreams
- ひとの 時を、想う。
- ココロも満タンに
上から順番にマクドナルド、東芝、ロッテ、ホンダ、JT、コスモ石油です。
恐らく、バリバリ仕事をしている感度が高い人じゃなくとも、多くの人が全問正解か、それに近い回答ができるはずです。
しかし、例えばこのようなキャッチコピーを企業とは切り離し、言葉単体で読んでみると、どうでしょうか?
これが会社を表す言葉だと言われても、ピンと来ないのではないでしょうか。
もし、権利などの関係は抜きにして無名の企業が全く同じフレーズを使い始めても「御社はどんな会社ですか?」と言われるのが関の山。
つまり、こうした抽象的なキャッチコピーは大企業が長い時間とお金を投資し続け、ブランディングし続けた結果として私たちに馴染んだものたちです。
無名企業が突然フワッとしたことを言っても、残念ながら通じません。
企業理念に通ずる
例えば会社のホームページ(コーポレートサイト)なら一番最初のトップページの更に一番上、つまり多くの人が一番最初に目に入る箇所(ファーストビューやメインビジュアルといいます)に自分たちの会社がどんな会社なのか、そのキャッチコピーを入れるケースは多々あるでしょう。
これは、いわば企業理念、経営理念ともいえます。
ここで大企業のようなカッコいいフレーズを使うのはNG。
せめてカッコいいフレーズにしたい場合でも、自社が扱っている商品やサービスの具体的な名称は確実に入れるべきです。
それだけサイト内で使用するキャッチコピーや文章は重要なのです。
事例から学ぶキャッチコピー
私が個人的に「いいな」と感じたキャッチコピーの事例をいくつかご紹介します。
窓を考える会社。(YKKAP)
文字通り窓を扱う会社として有名なYKKAP社のキャッチコピー。
とても分かりやすく、たとえ知らない人でも「窓に関する事業を展開してるんだな」ということは分かるでしょう。
服を変え、常識を変え、世界を変えていく(ファーストリテイリング)
ご存じユニクロを展開するファーストリテイリング社も分かりやすいですね。
まず最初に「服」を採用し、さらに常識や世界を変えるという革新的なワードを採用しています。
これだけでも「これまでのアパレル企業とは違う」という印象がありますし、実際に革新的な取り組みをしているわけですから、キャッチコピーが事業を体現しているといえます。
カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂(文明堂)
Z世代の方には馴染みがないかもしれませんが…
30代以上の方ならリアルタイムで一度は見たり聞いたりしたことのある方も多いはず。
今でこそ「電話は二番」はピンときませんが、カステラと文明堂という商品名、会社名を同時にリズムよく伝えている分かりやすい事例ですね。
私自身「カステラといえば?」と聞かれたら「文明堂」しか出てきません。
一番最初に連想されたらブランディング成功
なぜキャッチコピーやタイトルが重要か、その一つがブランディングにあります。
例えば、あなたは「ビール」と言われたときに、どのメーカー(あるいは商品)を思い浮かべるでしょうか?
メーカーでいえばアサヒ、キリン、エビス、サッポロなどがありますね。
商品(ブランド)名ならスーパードライ、一番搾り、黒ラベルなどですね。
こうした競合他社がひしめく業界において、消費者に選ばれる重要な要素の一つが一番最初に連想されること。
それは実際に飲んだことがあっても、そうじゃなくても、例えば街中で突然「ビールと言えば?」と聞かれてパッと口に出る(頭に浮かぶ)ことこそブランディングが浸透しており、成功事例といえるのです。
ここまでお話しすればキャッチコピーがいかに重要かもお分かりいただけるのではないでしょうか。
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